道具箱 (製作方法有)

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完成写真

P62600811  P62600801

コンセプト

今回は道具箱を作成します。
サイズは凡そ長700mm × 幅300mm × 高200mmのサイズです。
車で運ぶことを前提とすればもう少し大きくてもよかったのですが、手持ちで移動することも考慮しこの大きさにしました。
道具箱は持ち運びを考えると箱自体が軽量であることは重要な要件になります。重さを考慮し材料は桐(キリ)を使用しました。桐はとても比重が低く道具箱には最適です。
桐の板厚は13mmで、抽斗の構成板は9mmのものを使用します。

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道具箱のイメージ図です。 今回の製作のポイントは釘や木ネジを一切使わないことです。 また長さがながく通常取り出しにくい鋸(ノコギリ)やスコヤは下部に設けた抽斗に収納します。今後ここに収納される工具から様々な作品を作っていきたいと思います。


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今回の製作にはルーターテーブルをフル活用しようと思っています。
各板の継手は釘を使わずアリ継ぎ(ダブテールジョイント)で製作しようと思っているからです。それにはこのIncra社の位置決め装置が活躍することになると思います。

抽斗の製作

まず抽斗の側板になる板を切出します。 板は9mm厚の桐板です。高さは40mmに仕上げる予定です。底板を考えると実際使える高さは30mmほどですが、入れるものがノコギリとスコヤだけなので、30mmでも充分です。

まず抽斗の側板になる板を切出します。
板は9mm厚の桐板です。高さは40mmに仕上げる予定です。底板を考えると実際使える高さは30mmほどですが、入れるものがノコギリとスコヤだけなので、30mmでも充分です。

さていよいよ継手加工の準備です。 ルーターテーブルにアリギリビットをセットしました。 ビットは1/2 inch(12.7mm) サイズです。

さていよいよ継手加工の準備です。
ルーターテーブルにアリギリビットをセットしました。
ビットは1/2 inch(12.7mm) サイズです。

次にインクラ(Incra)位置決め装置のセッティングを行います。 写真の一番上に赤線と青線の帯が見れますがこれがダブテールジョイントを行う際のテンプレートになります。 青線:男木を作成する際の位置、赤線:女木を作成する際の位置になります。 この位置にあわせて材料を削るだけで簡単にダブテールが作成できます。

次にインクラ(Incra)位置決め装置のセッティングを行います。
写真の一番上に赤線と青線の帯が見れますがこれがダブテールジョイントを行う際のテンプレートになります。
青線:男木を作成する際の位置、赤線:女木を作成する際の位置になります。
この位置にあわせて材料を削るだけで簡単にダブテールが作成できます。

 写真のように側板をセットします。

写真のように側板をセットします。


▼まず男木を作成します。位置決め装置のテンプレートを青線にあわせて、材を削ります。一箇所削ったら次の青線に位置決め装置をずらし、また削るといった具合です。右写真のように美しく、正確に男木が出来上がりました。
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▼次に男木の側面を削ります。説明が難しいのですがこの段差がないと女木の溝の一部が組んだときに見えてしまいます。つまりこの段差の部分で女木の溝を完全に隠すことができます。

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▼女木を作成します。女木は男木のときとは違い材を寝かし削っていきます。その際、削り過ぎないよう下の写真のようにストッパー(赤色)を取り付け、それ以上削り過ぎないようにします。右写真のように女木ができあがりました。

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男木と女木を接合してみます。 ぴったり正確に接合できているのがわかります。

男木と女木を接合してみます。
ぴったり正確に接合できているのがわかります。


▼抽斗を作ります。抽斗の側板は「包み蟻型組接ぎ」で接合します。底板は4mmのベニア材にしました。テーブルソーで4mmの溝を彫ります。チップソーの厚さは2.5mmなので2回に分けて溝を彫ります。

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▼底板は若干大きめに粗切りし実際に側板に嵌め込みながらガタツキがないよう慎重にカンナで大きさを調整します。

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▼抽斗が出来上がりました。蟻接ぎも非常に美しく仕上がりました。

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本体製作

ボックス製作

▼次に道具箱本体の側板を加工します。側板の接合は「蟻型追い入れ接ぎ」で接合します。この接合は材の中継ぎに最適で接合度も非常に高い継ぎ手です。
下記の写真は男木となる前板と後板になります。

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▼前板は下部に抽斗が設置され、抽斗の鏡板と同一面になるため後板よりその分短く加工してあります。また接合も途中で止まるため接合方法は「肩つき蟻型追い入れ接ぎ」という方法を使いいました。

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▼側板となる女木の加工です。これもルーターテーブルで加工します。横のラインは底板の嵌め込み溝です。道具箱本体の底板には6mmのベニアを使用しました。
この底板の下に抽斗をセットすることになります。

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▼道具箱の底板も抽斗同様テーブルソーで粗取りしたあとカンナで正確に仕上げます。さていよいよ組み立てです。組み立ての際には蟻ほぞ部分に木工ボンドを塗って嵌め込みます。
ここでトラブル発生!気づいた方もいらっしゃるかも知れませんが、この構造だと底板を入れることができません。

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▼設計上のトラブルはありましたが半ば強引に嵌め込みなんとか形が見えてきました。左が道具箱本体、右が抽斗です。

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仕上げ

▼道具箱を手で持ち上げるため両端に梁を取り付けます。ここでも木ネジや釘を使わず接合するため上の②の板とダブテール接合します。

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①の梁を男木として加工します。 ②を女木として加工します。

ダブテール加工をする際は必ず中央を設定し、中央を基準として加工を始めます。 今回の場合①と②の材の長さが違うため、この中央設定は非常に重要です。

ダブテール加工をする際は必ず中央を設定し、中央を基準として加工を始めます。
今回の場合①と②の材の長さが違うため、この中央設定は非常に重要です。

▼ 男木の加工 ①
男木の加工 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

▼ 女木の加工 ②
女木の加工 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

男木①と女木②が綺麗に出来上がりました。写真の遠近感で女木が小さく見えますが、実際には女木が両端、材の厚さ分突き出ます。 これで①と②がしっかり接合できました。

男木①と女木②が綺麗に出来上がりました。写真の遠近感で女木が小さく見えますが、実際には女木が両端、材の厚さ分突き出ます。
これで①と②がしっかり接合できました。

次に道具箱本体と②の材とを接合します。今回は『千切り』を使った『千切り留め接ぎ』を行うことにしました。 千切りは2つの材を小さな木片でしっかり接合します。鼓形千切りは日本でも西洋でも用いられるスタンダードなジョイントの一つだそうです。

次に道具箱本体と②の材とを接合します。今回は『千切り』を使った『千切り留め接ぎ』を行うことにしました。
千切りは2つの材を小さな木片でしっかり接合します。鼓形千切りは日本でも西洋でも用いられるスタンダードなジョイントの一つだそうです。

ルーターテーブルを使って『千切り』を製作します。千切りは1つ1つ製作するのではなく写真のように長い材を製作し必要な分を切断して使用するようにします。 こうすることで通常難しい千切りの製作も材が長い分安定し、製作も非常に楽になります。また複数する際の製作時間を短縮することができます。

ルーターテーブルを使って『千切り』を製作します。千切りは1つ1つ製作するのではなく写真のように長い材を製作し必要な分を切断して使用するようにします。
こうすることで通常難しい千切りの製作も材が長い分安定し、製作も非常に楽になります。また複数する際の製作時間を短縮することができます。

今回『千切り』はブラックウォールナット材で作りました。本体が桐で非常に白いので色のコントラストを考えてです。

今回『千切り』はブラックウォールナット材で作りました。本体が桐で非常に白いので色のコントラストを考えてです。


▼次に②の材と道具箱本体に蟻溝加工を行います。ルーターテーブルのフェンスを合わせれば簡単に正確なアリ溝を切出すことができます。
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千切りに木工ボンドを塗りアリ溝に差込みノコギリで切断します。

千切りに木工ボンドを塗りアリ溝に差込みノコギリで切断します。

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表面をカンナで平らに調整します。

 綺麗におさまりました。

綺麗におさまりました。

続いて①の梁と道具箱本体を同じく千切りで接合します。 今度は上向きの力に耐えられれば良いので、千切りは簡単な直線型にしました。

続いて①の梁と道具箱本体を同じく千切りで接合します。
今度は上向きの力に耐えられれば良いので、千切りは簡単な直線型にしました。

ルーターテーブルでストレートビットを使用して2本づつ溝を加工しました。

ルーターテーブルでストレートビットを使用して2本づつ溝を加工しました。

ルーターテーブルでストレートビットを使用して2本づつ溝を加工しました。

ルーターテーブルでストレートビットを使用して2本づつ溝を加工しました。

段々と形が出来上がってきました。 後は簡単な作業を残すばかりです。

段々と形が出来上がってきました。
後は簡単な作業を残すばかりです。


▼次に蓋の製作です。蓋の納まりは道具箱に蓋を下ろしたとき中の空気がゆっくりと抜け静かに蓋が落ちていくようにしたかったため、カンナで少し削っては道具箱に合わせ、また少し削るといったように慎重に加工しました。このような精密な加工は機械ではナカナカできないので、手カンナが必要です。
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完成

▼出来上がりです。取手の加工状況は写真に収めるのを忘れてしまいましたが、ブラックウォールナットを蚤を使って形成しました。今回一番手のかかる作業でした。出来上がった取手と抽斗は「蟻型追い入れ接ぎ」で接合しました。
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ようやく出来上がりました。 でも何だか動物の顔みたいになってしまいました。 目を書いたらタヌキみたいです。(^^;) 次はこの道具箱に収まる蚤の収納箱を作りたいと思います。

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